#32 物事をすぐに批判するのは、少し怖い

こんにちは、あき(@akihito_kobe)です。
オーストラリアのシドニーより、お届けしております。

本日は、すぐに物事を批判するのって怖いよね、というお話です。

今の世の中に置いて、常識や倫理といった価値観は、本当に短いスピードで日々変化しています。昨日の正解が今日の不正解である可能性も、大いにあります。

これだけ変化の速い時代に、思いついたことに一切の思考を介さず、そのまま口に出してしまうのは結構なリスクです。

コロナウイルスの話を少し例にとってみましょう。

現在シドニーでは、日々規制が厳しくなってきています。屋内施設でのマスク着用が義務化されたり、州を跨ぐ移動に制限が出ています。

ではシドニーの新規感染者数はどうかというと、一日大体5-10名ほどが確認されています。

それに対してその検査対象である分母は、一日3-5万件です。つまり、確率でいうと約0.015%~0.02%くらいです。結構少ないと思いませんか?

これだけ少ない数のシドニーですら、今はオーストラリアの中で一番キツい制限が課されています。

さて、当然ですがオーストラリアにもニュースサイトがあります。僕はFacebook上でニュースページをフォローしているので、そこからニュースを見ることが多いです。

そこには、日本のYahoo!ニュースのようなかんじで、コメントが書き込めます。しかもFacebookなので、基本実名です。

そして、そのコメント欄には概ねオーストラリア人が書き込んでいるのですが、『NSW州は州境を完全に封鎖すべきだ。甘すぎる!』『なぜシドニーはロックダウンしないのか? さっさと閉じ込めるべきだ。』といった投稿が散見されます。

これだけ新規感染者数が少ないにも拘わらず、『さっさとロックダウンしろ』という意見が非常に多いのです。

そしてこれらを書き込んでいる人の多くは、NSW州外の住民です。たとえばQLD州とか、SA州とか。

こういった物事は必ず個人の主観が入るので、一概に何が正しいとは言いづらいものです。僕個人的には、もう一度ロックダウンになることだけは避けてほしいと願っています。

そしてシドニーに住む多くの人たちは、正直な気持ちを言うと僕と同じ意見だと思います。なぜならロックダウンされてしまうと、個人の生活が一気に圧迫されてしまうからです。

加えてオーストラリアにはJob KeeperやJob Seekerと呼ばれるような政府からの支援が存在しますが、二度目のロックダウンが来たとして、もう一度今までと同じ金額を支援してくれる保証なんてどこにもありません。

(ちなみにこの支援というのは、外国人である僕は一切享受することができません。)

さて、ここでニュースのコメント欄に戻りますが、他州の人たちがシドニーに向けて『さっさとロックダウンしろ』と言っているわけです。

しかしもし、彼らが自分の住む土地にロックダウンの危険が迫った場合、おそらく同じ言葉はすぐに言えないと思います。必ず発言する一歩手前に、『本当はロックダウンしてほしくないな』という思考を通るはずです。

オーストラリアのこういった掲示板やコメント欄には、「シドニー自体が毒の源だ」といった感じのコメントもあります。

他にも、ある一人の投稿者を吊るし上げて罵詈雑言を浴びせる、といったこともあります。

たとえば以前メルボルンでクラスターが発生した際、VIC州のナンバープレートを持つ車が、他州でいたずらされてしまう、という事件も発生していました。

よく「日本人は陰湿だ」とか「日本のネットリテラシーは低すぎる」といった意見を目にすることがありますが、何もこういったことは、日本だけじゃなくて世界中で起きているわけです。

自分が発した言葉で、たとえ特定の相手に向けていないとしても、傷付く人が出てきてしまうことがあります。

離れた場所の出来事に思えることでも、実は自分のすぐ傍まで迫っている場合もあります。全ては他人事ではありません。

明日は我が身です。気に入らないから批判をするのではなく、多面的に物事を捉え、発言する前に理性というフィルターを通すことがすごく求められている気がします。

あき