シドニーでコロナに感染。人の心を蝕む病
こんにちは、あきです。
オーストラリアのシドニーに留学、専門学校でマーケティング・コミュニケーションを専攻する傍ら、Webcamperという会社を立ち上げ、エンジニアとして働いております。
世界が未曽有のパンデミックに陥ってから2年近くが経過しましたが、遂に僕も、Covid-19に感染してしまいました。
コロナウイルスは、ただの風邪ではありません。海外でコロナに感染、その時の様子を素直にお話していきます。
少し長くなってしまいますが、最後までお読みいただけると幸いです。
シドニーでコロナに感染。人の心を蝕む病
2021年12月21日。朝目が覚めると、少し寝汗をかいていて、「暑いな、頭痛いなぁ」と思いながらベッドから起き上がりました。
その日の気温は約30度。季節が日本と真逆のシドニーは、夏まっさかりです。
熱中症的なものなのか、昨夜飲んだお酒が残っているのか。僕は偏頭痛持ちで、普段から頭が痛くなることはよくあるのですが、今回の頭痛は、普段のそれとは少し違う感じがします。
部屋にはエアコンが無いというのが普通の、シドニーのシェアハウスに住んでいる僕は、いつも通り暑さ回避のために、クーラーが効いている近所の図書館へ。
図書館でパソコンを開き、1時間のbubble個別コーチングを終え、その後3時間ほど、構築のお仕事をしておりました。
(最近はbubbleでの構築のお仕事に加え、個別コーチングのお仕事も複数いただいております。bubble楽しい。)
その後、御用達の近所のショッピングモールでご飯を食べ、スターバックスで再び2時間ほど作業。
その間、お昼に飲んだ頭痛薬が効いていたのか、少し体調は落ち着いておりました。
しかし帰宅後、なんとなく体温計を取り出して熱を測ってみると、なんと「38.3℃」との表示が。
ここで初めて、「これはマズいぞ」と、少し震えました。
シドニーでの感染爆発、QRコードでのチェックイン
12月に入ってから、シドニーではオミクロン株による感染爆発が止まりません。
12月初頭は数百人だった一日の新規感染者数が、中旬になれば約3,000人、20日頃には、毎日5,000~6,000人ほどの感染者が出ています。
(この記事を執筆している1月8日に発表された一日の新規感染者数は、なんと4.5万人でした。)
NSW州では、スーパーやパブ、カフェや図書館など、各施設へ入る際に、「Service NSW」というアプリでQRコードをスキャンする「チェックイン」が義務付けられています。
(1月現在、このルールは若干緩和されつつありますが。)
これにより、州は「何月何日何時何分、誰がどこにいた」というのをしっかりと把握している訳です。
このQRコードでのチェックイン履歴をベースに、もし陽性者と接触した可能性のある人には、「少しでも体調が悪ければ検査に行ってね」という通知が届きます。
僕は12月に入ってから2度、この通知を受け取ったことがありました。とはいえ僕がこの通知をもらったのは12月初旬。
結構前だよなぁと思いつつ、しかし熱が出てしまっているのは事実なので、PCR検査を受けに行くことにしました。
ドライブスルーでのPCR検査、長蛇の列での待ち時間
様々な場所でおこなわれているPCR検査。
ネットで簡単に検査会場を探せるので、僕はドライブスルーで検査してくれる場所を探し、翌日の12月22日、そこに向かいました。
会場近くまで行くと、既に長蛇の列が。僕は最後尾に並び、Google Mapを見ると、検査会場まであと600m。
長時間の待ち時間を覚悟しましたが、本を読んだり、ノートパソコンで仕事をしたりしながら時間を潰していました。
この日も外は30度近く、非常に暑い日でしたが、エアコンの効いた車の中で仕事をしたりしていたので、意外と快適な待ち時間を過ごすことができました。
少しずつ車が進んでいき、ようやく僕が検査を受けたのは、並び始めて2時間半後。
舌の上と鼻の中に綿棒を当てられ、検査はすぐに終わりました。
あとは検査結果が出るまで、自宅隔離をするのみです。
崩壊する検査システム
2時間半の待ち時間。ユニバでもここまで並ぶことは珍しい。
この時点で、結果が出るのは「24~48時間以内」、もしかすると「72時間以内」という公式発表がされていました。
市販の解熱剤を飲んで数時間後は36.5℃くらいまで熱は下がるのですが、またすぐに38℃以上に戻る日々が続きました。
咳と喉の痛みが悪化し、仕事にも集中できず、かといって映画を見る気にもなれず。
本を読んでもすぐに集中力が切れ、ベッドで横になっても眠れる訳でもなく。
スマブラでオンラインに出ても負けちゃうし。うーん。
しかし検査から4日目(発熱から5日目)には、解熱剤なしでもほぼ平熱まで回復してきました。
そんな中で、遅くても3日以内には返って来るだろうと思っていた検査結果ですが、僕が連絡を受けたのは検査から約100時間後、体調が回復してきた26日の夜でした。
もう熱も下がっていたので、ただの風邪だったのかなと思っていた僕の検査結果はなんとPositive、つまり陽性。

この結果を見たとき、ゾッとしました。まさか僕が、コロナウイルスに感染しているなんて。
もうほとんど体調は回復しているのに、ここからは州の指示に従わなければならない。
どうなることかと不安が僕を襲いました。
陽性者に求められること
翌日の27日、州から一通のSMSが届きました。それは、陽性者を対象にしたアンケートに答えるというもの。
僕はここで、過去一週間くらいに会った人たちの名前、コンタクト情報を洗い出されるものだと思っていましたが、実際のアンケートは本当に簡単な、選択式の質問が4つだけ。
「過去14日以内に海外に行きましたか?」
「なぜPCR検査を受けましたか?」
といったような感じ。
あれ、こんなものか?と思っていた数時間後、今度は着信がありました。
あー、ここで色々な事を聞かれるんだろうな。そう思って電話に出ましたが、その内容は、僕が陽性者連絡を受けた本人であるかどうかの確認、体調を崩した日と検査を受けた日の確認、そして、隔離解除の連絡があるまでは家に居てね、ということだけでした。
隔離解除は、検査を受けてから10日後。僕は12月22日に検査を受けたので、1月1日に隔離解除の連絡が来ると思うよ、とのことです。
「あれ、もう一度PCR検査を受けないといけないんじゃないの?陰性の結果が必要なんじゃないの?」と質問をしましたが、どうやらその必要はないみたいです。
隔離解除のSMSが届き次第、外に出ても良いよ、と。なんとなく、想像していたより緩い感じだったので、少しホッとしました。
僕が調べた限りでは、以前は陽性者に対して、過去にあった人のリスト作成や、隔離解除には陰性証明が必要だったはずですが、恐らく感染者の急増によって、ひとりひとりにそこまで時間をかけられなくなっていたのでしょう。
ということで、既に検査からは5日が経っていたので、残り5日間、自宅隔離生活を継続することが決まりました。
緩和されていく規制
体調は回復してきていたので、隔離中はいつもどおり部屋から制作やコーチング、ミーティングをしたり、UberEatsで食料を調達したりしながら過ごしていました。
すると12月31日、大晦日の朝目が覚めると、州から一通のSMSが。
見ると、それは隔離解除の連絡でした。「もう外に出てもいいよ」という証明のPDFと共に。
あれ、明日じゃないのか?と思っていましたが、思いがけず早めの隔離解除。
というのも実はその日、陽性者の自宅隔離期間が「10日から7日」に短縮、という発表がありました。
しかもなんと、「検査日から7日経ったら、隔離解除の連絡を待たずとも外に出てもいい」という緩和つき。
なるほど、だから僕は少し早めに連絡がきたのか。
とはいえこの時点でも、新規感染者数は更に爆増しており、そんな中での規制緩和は本当に大丈夫なのか?というモヤモヤが少しだけ残ります。
止まらない感染拡大、しかしオミクロン株は重篤化しにくいという事実から、withコロナを覚悟しての規制緩和だとは思いますが。
その後の生活
さて、隔離も無事解除され、晴れて2022年がやってきました。改めまして、明けましておめでとうございます。
体調はといえば、ほとんど回復しているのですが、まだ咳と喉の痛みが若干残っております。
僕は過去に何度か、気管支炎や喘息を患ったことがあり、それがコロナをきっかけに少しぶり返しているのだと思います。
薬局で咳止めのシロップを買ってきたので、それを飲んで過ごす日々です。
そういえば先日、長く住んだCoogeeからAshfieldという場所へ引っ越しました。
新しい家は、シェアハウスの中にあるグラニーフラット。グラニーフラットとはつまり、離れのことです。
母屋とは別の場所に独立して建っている一部屋で、自分専用のバスルーム、トイレがあります。
離れなのでつまり、他の部屋との騒音問題が全くありません。夜中にミーティングをすることも、音楽を聴くこともできます。
僕は毎日家から仕事をしているので、過ごしやすく仕事に集中できる環境を作ろうと思い、家賃を以前よりかなり上げました。
今はこの新居で、快適な毎日を過ごしております。また改めて、ルームツアー記事を書いてみようと思います。
シドニー留学生の部屋探し、買い物などについて。
コロナウイルスは、人の心を蝕む
さて、実際にコロナウイルスに感染した際の体調は、上記のとおりです。
38℃を超える熱が4日ほど続き、酷い咳と喉の痛みに襲われました。
そして、コロナに感染してから体重が3kg程落ちました。ちょうど少し体重を落としたかったので、これでよかったかも。戻らないように気を付けないと。
酷めの風邪だといってしまえばそれまでのような気もしますが、僕のように過去に気管支炎などを患ったことのある人にとっては、少しキツい日々が続くかもしれません。
しかし僕が今回一番ダメージを受けたのは、精神面です。
実は僕がPCR検査を受けてから、前の家のハウスオーナーに突然、バイ菌扱いをされ始めてしまいました。
僕の体調に関して心配の言葉は一切なし。キッチンには来るな、触ったものは全て消毒しろ。あなたがいるとトイレ掃除もできない。
僕が患ったのは、クリスマス時期です。多くのお店が休業する日。そんな日にキッチンに来るなとは、どうしろっていうんだ。
何時から何時までは誰がキッチンを使うよう決めるとか、食料を部屋の前に置いてくれるとか、なんとか隔離生活に協力的になっていただけないものなのでしょうか。
まるで「感染したお前が悪い」と言わんばかりに。挙句、「早く引っ越しできないの?」と。
ただでさえ体調を崩しているのにも関わらず、そういった環境で隔離生活を過ごしていたので、身体面よりも、精神的にかなり参ってしまいました。
せめて、「大丈夫?」の一言があればまた違っていたのでしょうが、PCR検査を受けたという事実だけで、ここまで人は突然、身近な人に牙を剥くものかと。
コロナは、ただの風邪なのか?
致死率や重篤化率などから、「コロナはただの風邪だ」と言ってしまいたい気持ちは、分からなくもないです。大袈裟になりすぎないよう、無駄に怯えすぎないように。
僕は、世界が未曽有のパンデミックに陥ってから、「コロナウイルスは人間関係をデトックスしている」という風に感じることが多々ありました。
そして今回、自分自身がその陽性者となって、一緒に住んでいた人に敵意を向けられました。向こうにその自覚はないのでしょうが。
今では、新居に引っ越して本当に良かったと思います。より集中できる環境へ、と思っての移動でしたが、最後の最後に、一緒に住んでいた人たちにある意味での恐怖を感じてしまったので。
コロナウイルスは身体面以外でも、人の心を蝕みます。
それは社会が、毎日毎日増え続ける感染者数を発表し、当たり前にできていた移動や娯楽を制限し、陽性者が移動したルートを明かし、鎖国し、コロナウイルスへの恐怖を煽り続けているからなのでしょうか。
しかしこれらは、感染抑制には必要なことです。未知のウイルスを野放しにする訳にはいきません。
であれば、情報を受け取る側の人間である僕たちが、どのように行動すべきかをしっかり考えなければなりません。メディアに煽られるだけの大人になるべきではありません。
こういった経験から、たとえ致死率や重篤化率が低いものだとしても、「ただの風邪」と呼ぶにはほど遠い病気だと感じます。
いくら対策していたって、ワクチンを接種していたって、感染するときは感染します。それは仕方のないことなのです。
感染した人を責めるのではなく、一丸となって、このパンデミックを協力的に乗り越えられるように。
もう少しだけ、優しい世界になればいいな、と思った年末年始でした。みなさんも充分、お気を付けくださいませ😌