TAFE NSWでのIT専攻。海外留学においての重要なことについて。

お久しぶりです、あきです。
現在、オーストラリア シドニーにある、『TAFE NSW』という州立の専門学校にて、ITを専攻しています。暫く休みだったTAFEも、先週からオンラインで授業が始まりました。
今まであまり学校の事を書いていなかったので、今回はその授業内容にフォーカスをして、感じることを正直にまとめてみようと思います。
先日に僕は、以下のツイートをしました。
現在シドニーのTAFEでWEB構築を専攻中。
少しぶっちゃけると、授業スピードは果てしなく遅い。プログラミングも学んでるけど、入学2ヵ月でまだここかい…って思う事が多々。
スキルを伸ばす事”だけ”が目的なら、TAFEには来ない方がいいです🙅♂️
技術以外に意義を見出せるなら、TAFEは素晴らしい選択😌
— あき (AKI) 🇦🇺英語×プログラミング👨💻 シドニーTAFEでIT専攻 (@akihito_kobe) May 2, 2020
正直、技術的な面に関してだけ言えば、TAFEの授業スピードは非常に遅いです。
しかし、それ以外の事に意義を見出したりすることができれば、TAFEで学ぶことは素晴らしい体験になるはずです。
この記事が、これからオーストラリアのTAFE留学や、海外留学を考えている方たちの参考になれば幸いです。
『Diploma of Website Development』について。
初めに、僕が専攻しているのはITコースの『Diploma of Website Development』です。TAFEに数多く存在するコースのうち、今回の記事はこのコースに関することなので、他の科に留学検討中の方たちへは一部参考にならない部分があるかも知れませんが、ご了承ください。
Diplomaというのは、日本語でいう『専門士』または『準学士号』の称号で、短大や専門学校卒業と同等レベルです。一般的に、大学卒業で与えられる称号は『Bachelor』といいます。しっかりと履歴書に書ける学歴です。
僕の学科は2学期制 (2 Semesters) で、1年間の通学でDiplomaを取得できる、というものです。
現在のカリキュラム。
現在はまだ1学期なので、2学期では科目が変わる可能性がありますが、現在学んでいるのは以下のとおりです。
Database
JavaScript
CMS (WordPress)
WHS (Workplace Health and Safety)
Diplomaを専攻しているので、ある程度パソコンやHTML/CSSを扱える事が前提としてカリキュラムが組まれています。しかしそれ以外は、非常に基礎の基礎から学んでいます。
WHSというのを聞き慣れない方が多いかと思いますが、これは【Workplace Health and Safety】の略で、雇用主や従業員全員を含む職場全体に対して、職務中の健康や安全を守ること、危険から保護することなどに関する分野です。オーストラリアの法律や制度を基準に、定めるべきポリシーやイレギュラーが発生した際の責任、災害が起きた際の対応などを学んでいます。

授業のスピードは正直遅いです。
さて、ここからTAFEの少しネガティブな面をお話します。それは授業の進むスピードが非常に遅い、ということです。例えばJavaScriptで言えば、入学2ヵ月が経ち、ようやくsetTimeout等を学んでいるところです。未だ、classの作成やjQueryなどのライブラリは学んでいません。
Databaseに関しては、Securityと併せながら学んでいることもあるかと思いますが、こちらも非常に遅く感じます。
WHSではWordPressを使って、基本的な使い方やプラグインの導入方法、自分でeCommerceサイトを構築するという事を学んでいます。
僕は独学で勉強を進めていて、WordPressの自作テーマを作ったり、プラグインを自作したりしています。このブログの運営も、0からの自作テーマです。他にも、お仕事としてウェブサイト作成の案件などを受けたりもしています。
だからというのもあるのかも知れませんが、この授業スピードでは半年後ないし1年後に、エンジニアとして独立するのは難しそうと感じてしまいます。(そもそも、Diplomaの段階ではそこまで見据えていないのかも知れません。)

スキル以外に学ぶべきこと。
当たり前ですが、海外で学ぶということは、全てが英語で進みます。現在僕のクラスには生徒が約20人いますが、インターナショナルの生徒は4人のみ、その他大勢の生徒はローカルです。授業もグループワークも、もちろん全てが英語です。
あくまで個人的にですが、僕がTAFEに通うにあたって強く意識していることは、外国人の僕がネイティブに囲まれてどういった存在感を出せるか、周りとどう接するかなどのコミュニケーションの部分です。ですので最低限、授業は理解できて当然、スキルは他よりもあって当然、の状態にしておく必要があります。
その中で他の生徒や先生たちに、授業外に作成した成果物などを見せたり、逆に分からない所は細かく質問をします。課題はすぐに終わらせます。また英語で受講することによって、技術的な内容を英語でも理解できるようになります。
そうすることによって、早い段階で周りの生徒から『あきに聞けば分かるよ』や『あき教えて』と言われるようになりました。頭の中にある事柄を、英語で分かりやすく相手に教える、アウトプットの練習にもなります。しっかりと事前学習や自習をしているお陰もあり、技術的な部分のコミュニケーションも増え、たくさんの友達もでき、一緒に飲みに行ったり実家にお邪魔したりなどもするようになりました。

技術を身に付けるだけなら、
TAFEのコスパは非常に悪い。
さて、これはITやプログラミングに限った話かも知れませんが、『技術者になりたい』とだけ思ってTAFEに来るのは非常にコストパフォーマンスが悪いです。TAFEにおいて、インターナショナル生の学費は非常に高額で、ローカルの生徒の2倍~3倍以上もします。
『プログラミング技術のみ』であれば、非常に安い金額で身に付けられます。『ドットインストール』や『プロゲート』などを使えば月額1000円ほどで学べます。他にもUdemyなどもありますし、YouTubeにはチュートリアルが無料でたくさんアップロードされています。
このような時代に、優に100万円を上回る学費を払って技術のみを学ぶのであれば、それは非常にもったいないです。(僕の場合、学生ビザの取得や保険・学費の支払いで合計15,000AUDほどかかりました。)
海外で学ぶことのメリット。
あくまで技術のみに焦点を置いて話せば、TAFEに通うことはいい選択ではないかも知れません。しかし、英語ベースでITを学ぶことに関しては非常に大きなメリットがあります。
変化やアップデートが激しいITの世界においては、検索力・ググる力が非常に大切です。これは場合によって、人に尋ねる力よりも大切かも知れません。そんな中で、英語で検索することができれば、手に入る情報の量は数倍~数十倍に跳ね上がります。
実際に僕もよく英語で検索したり、英語でのチュートリアル動画を見ます。日本語で検索するよりも、遥かに細かい情報が出てくる場合が多いです。英語での検索力を身に付けることの価値は、非常に大きいです。
加えて上記で述べたような、多国籍の人とのコミュニケーション能力などを学ぶことなども、かなり大切だと感じています。特に僕は、将来もずっと海外で暮らしたいと考えているので、この点を非常に重要視しています。
更に人との出会いに関してですが、周りには意識の高い生徒が多いです。これだけ高い学費を払って海外で学びを得たいと思っているような人たちは、やはりかなり真剣に、真面目に日々取り組んでいます。もちろん、僕にないスキルや経験を持った人たちがたくさんいます。そんな彼らと同じ環境で学ぶことは、非常に刺激的です。

まとめ。
あくまで技術のみに焦点を置くと、TAFE留学は高額すぎます。しかしそれ以外にも意義を見出せるなら、それは良い選択です。学びぶことや伝えること、考えを整理すること。それらを全て英語で実践するのは非常に価値のあることです。
そしてやはり、『Diploma』という学位を取得できるのは大きいです。
どれだけ自発的に学べるか、周りと関わることができるかで、留学中の伸びは大きく変わってきます。海外留学を考えている方たちは、ぜひ技術以外の面でも、卒業後の自分がどのように成長しているかをイメージしてみてください。
海外留学を検討している方、または留学中の方たちの参考になれば幸いです。『海外で学ぶ』ことの素晴らしさを、ぜひ体験してみてください😌